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成島焼

成島焼は、鉄釉に灰釉を二重がけする
なまこ釉が特徴で、
もともとはあめ色に藁白釉でした。
和久井富二夫は成島焼復興のため、
江戸時代などの古い成島焼をもとに
長年研究を重ねます。
この先も成島焼を伝えていくためには、
美術品として人々に求められるよう
高めていかなければいけないと考えました。
そして、草木灰や釉薬を使用する基本的な
技術は守り、伝統を損なうことなく、
オリジナリティを加えた作品づくりに励みました。
そうして筆では描くことのできない、
釉が織りなす焼き物だけの表現がうまれ、
宇宙に引き込まれるような美しさで魅了する、
和久井窯ならではの成島焼を確立させました。

成島焼和久井窯が誇る三種の技法

焼締め

今泉の土に惹かれ移り住み、拓かれた和久井窯。和久井富二夫は、成島焼の復興と向上に情熱を注ぎながらも、もともと手掛けていた、釉薬を施さず高温で焼き上げる「焼き締め」にも力を入れていました。

今泉の土は、灰の成分と炎との化学反応によって、炎がまわる様子や溶け出した土から放たれる様々な風合いを醸し出し、独特の世界観を生み出す良質な陶土だったのです。和久井修と共に作品づくりに励み始めたころ、金色に浮かび上がる「金窯変」が発見されるようになりました。

使うほどに、使う人のもとで美しく変化し輝き続ける焼き締め。遥かなる時を経て、新たな魅力をもたらされた土と炎の芸術です。

彩磁

磁器は、主原料に陶石を用い、陶器よりも高温となる1200~1400度で焼きあげたものです。その歴史は中国の六朝時代に始まったとされ、時代と共に進化を続けてきました。

時には祭事に用いられる事も。美しく質の良い磁器は、時代を超え現代に伝えられているものもあります。

和久井 修は、日本で初めて人間国宝になった富本憲吉の弟子で、同じく人間国宝となった近藤悠三に学びました。

半透明で、角度により様々な彩を魅せる特徴的な彩磁に、何度もよく擦った泥漿を筆を用いて立体的に描きだすなど、自らの世界観を見出し美しいアートを奏でます。