陶土について
遥かなる時を経て 今目覚めた陶土から
遥かなる時を経て 今目覚めた陶土から
太古の土と語らう
成島焼和久井窯で使われている陶土は、この今泉のものです。地下深くにあるほんのわずかな粘土層から採取しており、160年以上も前から人々はこの陶土が良質であるものだと知り、焼き物に使用していました。日本の地層は、1万年でわずか約1mと言われているようです。そう考えると、この陶土は数万年も前にでき静かにこの地に眠っていたものと考えられます。陶土に触れる度に、ロマンを感じずにはいられません。
粘性が強く、ろくろでの伸びが良いため、薄くて軽い作品を手掛けることができるという特徴があります。また高温で焼しめれば、灰の成分と炎の化学反応により窯変し、光の角度で赤や黒、金にも輝く、特別な陶土です。多くの方に、成島焼和久井窯の作品からロマンを感じていただきたいと思います。
使う人と続く物語
大量生産、大量消費のこの時代。日常の慌ただしさからか、モノの価値や素晴らしさに、気づきにくくなっているかもしれません。しかし、地球が長い時をかけ生み出した土を、人の手で新たな造形に変化させ、手にした人の元で使い込むほどに更なる魅力を放ち続ける。日本の山形、長井にある今泉の地から創り出された作品には、そんな物語があります。ぜひ、あなたの元で輝かせてください。